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 青色申告書を提出する法人で保険業法の免許を 受けて保険業を行うものの各事業年度において、

特例非支配目的株式等に係る配当等の額がある場 合には、その特例非支配目的株式等に係る配当等 の額について、受取配当等の益金不算入制度によ り各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算 入しない金額は、その配当等の額の20%相当額で はなく、その配当等の額の40%相当額とすること とされます(措法67の 7 ①)。

 「特例非支配目的株式等に係る配当等の額」は、

保険会社の保有する非支配目的株式等につき支払 を受ける配当等の額とされています(措法67の 7

①)。このため、保険業を行う法人が有するETF

(上記四の外国株価指数連動型特定株式投資信託 以外の特定株式投資信託の受益権をいいます。)

の収益の分配の額についても、40%相当額が益金 不算入とされます。

(注) 非支配目的株式等とは、内国法人が、他の内 国法人の発行済株式等の総数又は総額の 5 %以 下に相当する数又は金額のその他の内国法人0 0 0 0 0 0の 株式又は出資(以下「株式等」といいます。)を、

その内国法人がその他の内国法人0 0 0 0 0 0から受ける配

当等の額の支払に係る基準日において有する場 合におけるその他の内国法人0 0 0 0 0 0の株式等で、完全 子法人株式等以外のものをいい、ETFを含みま す(法法23⑦、法令22の 3 の 2 ①)。

 連結納税制度の場合についても、同様の措置が 講じられています(措法68の104①)ので、連結 グループ内の保険業を行う連結法人の特例非支配 目的株式等に係る配当等の額についてはその40%

相当額が、他の連結法人の非支配目的株式等に係 る配当等の額についてはその20%相当額が、連結 所得の金額の計算上、益金の額に算入しないこと となります。

(注) 非支配目的株式等は、連結納税制度の場合に おいても、上記(注 2 )のとおりですが、その 当否は、連結グループ全体で判定を行うことと されています(法法81の 4 ⑦、法令155の10の 2

①)。

 なお、特例非支配目的株式等に係る配当等の額 がある場合における短期保有株式等に係る益金算 入額の計算又は益金不算入額の個別帰属額の計算 については、次のとおりとされています(措令39 の124の 5 )。

⑴ 非支配目的株式等に係る配当等の額のうちに 短期保有株式等の配当等の額がある場合の益金 の額に算入する配当等の額の計算

 非支配目的株式等に係る配当等の額のうち、

短期保有株式等の配当等の額がある場合におい て益金算入の対象となるものは、特例非支配目 的株式等に係る配当等の額とそれ以外のものに 分けて別々に計算することとされました。具体 的には、法人税法第81条の 4 第 2 項の規定によ り益金算入の対象となる短期保有株式等の計算

(法人税法施行令第155条の 7 第 1 項の計算式)

において、保険業を行う連結法人のみ又は保険 業を行うもの以外の連結法人のみを「配当等を 受ける日の属する事業年度が連結事業年度に該 当する連結法人」とそれぞれみなして、特例非 支配目的株式等に係る配当等の額に対応する益 金算入額とそれ以外の非支配目的株式等に係る 配当等の額に対応する益金算入額とを区分して 計算することとされています(措令39の124の

5 ①②)。

《法令155の 7 ①の計算式》

基準日後 2 月以 内に譲渡をした 元本株式等の数 の合計数

×

基準日におい て有する元本 株式等の合計 数

×

基準日以前 1 月以内に取得をした元本 株式等の合計数

× 基準日から起算し

て 1 月前の日にお いて有する元本株 式等の合計数

+基準日以前 1 月以 内に取得をした元 本株式等の合計数

配当等を受ける日の属する事 業年度が連結事業年度に該当 する連結法人の基準日におい て有する元本株式等の合計数 基準日において有する

元本株式等の合計数 +基準日後 2 月以内に取得

をした元本株式等の合計数 基準日において有する 元本株式等の合計数

(注 1 ) 短期保有株式等とは、その支払を受ける 配当等の額の元本である株式等(ETFを含 みます。)をその配当等の額の支払に係る基 準日以前 1 月以内に取得し、かつ、その株 式等又はその株式等と銘柄を同じくする株 式等をその基準日後 2 月以内に譲渡した場 合におけるその譲渡した株式等のうち、上 記の計算式により計算した数又は金額に相 当するものをいいます(法法81の 4 ②、法 令155の 7 ①)。なお、上記の計算式は、連

結グループ全体で計算します。

(注 2 ) 非支配目的株式等に該当するか否かの判 定の際にその対象となる株式等から除かれ る短期保有株式等も、連結グループ全体で その当否を判定することとされています(法 令155の10の 2 ②)が、その連結グループ内 に保険業を行う連結法人がいる場合であっ ても、その判定では、上記のように区分し て計算する必要はありません。

⑵ 益金不算入額の個別帰属額の計算

 非支配目的株式等に係る受取配当等の額の益 金不算入額のうち、各連結法人に帰せられる部 分の金額は、その益金不算入額に、各連結法人 が受ける非支配目的株式等に係る配当等の額の 合計額のうちにその連結法人が受ける非支配目 的株式等に係る配当等の額の占める割合を乗じ て計算した金額とされています(法令155の11 四)が、特例非支配目的株式等に係る配当等の 額につき本制度の適用を受ける場合には、益金 不算入額に、特例非支配目的株式等に係る配当 等の額に 2 を乗じて算出した上記の割合を乗じ て計算することとされました(措令39の124の

5 ③)。

【計算例】

・ 非支配目的株式等に係る受取配当等の益金 不算入額 70

・ T(保険業を行う法人)

   特例非支配目的株式等に係る受取配当等

の額(不算入割合:40%) 100

・ S(保険業を行わない法人)

   非支配目的株式等に係る受取配当等の額

(不算入割合:20%) 150

○ Tの個別帰属額  70× 100× 2100× 2 +150=40

○ Sの個別帰属額  70× 150

100× 2 +150=30

3  適用関係

 上記2の制度は、法人の平成27年 4 月 1 日以後 に開始する事業年度分の法人税について適用する こととされています(改正法附則72)。連結納税 制度の場合については、連結法人の連結親法人事 業年度が同日以後に開始する連結事業年度分の法 人税について適用することとされています(改正 法附則95)。

七 特定目的会社に係る課税の特例

1  改正前の制度の概要

 この制度は、資産の流動化に関する法律第 2 条 第 3 項に規定する特定目的会社のうち多数の投資 家又は機関投資家に対して優先出資又は特定社債 を発行していること、優先出資及び基準特定出資 の国内募集割合が50%超であること等の一定の要 件を満たすものが支払う利益の配当の額で、配当 可能利益の額の90%超を利益の配当の額として支 払っていること等の一定の要件を満たす事業年度 に係るものは、その事業年度の所得の金額の計算 上、損金の額に算入することができるというもの です(措法67の14①)。ただし、その損金の額に 算入する金額は、その事業年度の所得の金額を限 度とすることとされています(措法67の14①ただ し書)。

2  改正の内容

 平成22年度税制改正において、国内募集割合が 50%超であることとする要件(以下「国内募集50

%超要件」といいます。)の対象に基準特定出資 が追加されました。この改正は、原則として、特 定目的会社の平成22年 4 月 1 日以後に開始する事 業年度分の法人税について適用し、特定目的会社 の同日前に開始した事業年度分の法人税について は、なお従前の例によることとされています(平 成22年改正法附則96①、平成22年改正措令附則 38)。ただし、改正後の規定は、同日前に設立さ れた特定目的会社にあっては、同日以後に資産の 流動化に関する法律第 9 条第 1 項の規定による同 法第 5 条第 1 項第 1 号に掲げる事項の変更の届出 又は同法第10条第 1 項の規定による届出をするも のに限り適用することとされています(平成22年 改正法附則96①、平成22年改正措令附則38)。

 今回の改正では、平成22年 4 月 1 日前に設立さ れた特定目的会社で平成27年 3 月31日までに資産 の流動化に関する法律第 4 条第 2 項に規定する業 務開始届出をしなかったものにあっては、平成27 年 4 月 1 日以後に終了する事業年度において、基 準特定出資に係る国内募集50%超要件を適用する こととされました(平成22年改正法附則96①、平 成22年改正措令附則38)。

(参考) 資産の流動化に関する法律(平成10年法 律第105号)

(届出)

第 4 条 省 略

2  前項の規定による届出(以下「業務開始 届出」という。)を行う特定目的会社は、次 に掲げる事項を記載した届出書を内閣総理

大臣に提出しなければならない。

一 商号

二 営業所の名称及び所在地

三 取締役及び監査役の氏名及び住所並び に政令で定める使用人があるときは、そ の者の氏名及び住所

四 会計参与設置会社(会計参与を置く特 定目的会社をいう。以下同じ。)であると きは、その旨並びに会計参与の氏名又は 名称及び住所

五 第 6 条の規定に基づくすべての特定社 員の承認があった年月日

六 その他内閣府令で定める事項 3 ・ 4  省 略

八 投資法人に係る課税の特例

1  改正前の制度の概要

 この制度は、投資信託及び投資法人に関する法 律第 2 条第12項に規定する投資法人で一定の要件 を満たすものが支払う配当等の額で、配当可能利 益の額の90%超を配当等の額として支払っている こと等の一定の要件を満たす事業年度に係るもの は、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の 額に算入することができるというものです(措法 67の15①)。ただし、その損金の額に算入する金 額は、その事業年度の所得の金額を限度とするこ ととされています(措法67の15①ただし書)。

2  改正の内容

⑴ 保有資産に係る要件の見直し(平成26年 9 月 改正)

 投資法人が主として有することができる資産

(以下「特定資産」といいます。)の範囲に再生 可能エネルギー発電設備及び公共施設等運営権 を追加すること等を内容とする「投資信託及び 投資法人に関する法律施行令の一部を改正する 政令(平成26年政令第294号)」が、平成26年 9

月 3 日に公布され、同日から施行されています。

(注) 再生可能エネルギー発電設備とは、電気事 業者による再生可能エネルギー電気の調達に 関する特別措置法第 2 条第 3 項に規定する再 生可能エネルギー発電設備(不動産に該当す るものを除きます。)をいい、公共施設等運営 権とは、民間資金等の活用による公共施設等 の整備等の促進に関する法律第 2 条第 7 項に 規定する公共施設等運営権をいいます。

 これを受けて、本制度の適用要件である、事 業年度終了の時において有する特定資産のうち 一定の資産の帳簿価額がその時において有する 資産の総額の 2 分の 1 相当額を超えていること との要件が次のとおり見直されました。

(注) この改正は、租税特別措置法施行令の一部 を改正する政令(平成26年政令第292号)によ って行われています。

① 原則

 事業年度終了の時において資産の総額の 2 分の 1 を超えて有することができる特定資産 の範囲が、投資信託及び投資法人に関する法 律施行令第 3 条各号に掲げる資産から、次の

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